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2015-01-06

子どもの貧困対策について

カテゴリー > cat2 友美の議会質問集

子どもの貧困対策についてお伺いいたします。

昨年6月、日本で初めて貧困の名を冠した、子どもの貧困対策法が成立を致しました。
この法律の目的・基本理念には、子どもの貧困の解消・教育の機会均等、健康で文化的な生活の保障、次世代への連鎖の防止等がうたわれ、さらに施策の中に「20歳以上の大学等在学者も対象」となっていることが一つの特徴となっています。
ちなみに、2009年民主党政権時代厚生労働省は初めて相対的貧困率を公表しました。
貧困率は税と保険料を除いた所得をもとに算出し、すべての中央値の、半分に満たない所得で暮らしている世帯の割合です。
2009年度の場合、中央値は250万円でしたので、125万円が貧困のラインとなり、このライン以下の所得の世帯に属する子どもが全子どもの何%であるのかというのが子どもの貧困率です。
日本の貧困率は15・7%。
およそ6人に1人が貧困状態ということになり、それが、ひとり親世帯によると50・8%と半数を超え、経済協力機構加盟国の中ではトップになっています。
15%もの子ども達が自分の可能性を最大限に生かすことが出来ない、あるいは成績が優秀にもかかわらず経済的理由で大学に進学できない、よい職にも就けないという状況は、本当にこれは深刻な事態です。
そうなれば国全体のレベルが下がってくるという今の現実が益々拡大することになります。
さらに、「社会生活に関する実態調査」によれば、15歳という義務教育の最終年齢児において貧困だった場合、限られた教育機会しか与えられず、その結果恵まれない職に就き、低所得で低い生活水準にとどまってしまうという、貧困は連鎖するとのデータも出ています。
そして言うまでもなく、貧困の若者は、結婚の確率も低く、つまりは少子化の問題にも大きく影響して参ります。
子どもの貧困対策法の具体的な内容は、これから定める「大綱」にゆだねられるわけですが、計画を作成し支援策を実施するのは、地方自治体であります。
子どもの貧困対策は将来への投資であり、何よりも優先されるべき事業であるとの気持ちを持って臨んでいただきたく順次質問をしてまいります。

まず、子供の貧困について県の認識をお伺いしたいと思います。

冒頭、日本の貧困率15.7%の数字を出させていただきましたが、県として、子供の貧困とはどのような状態を言うのか、貧困に育つことがどのような影響を子どもに及ぼしているのか。
貧困を放置するとどうなると考えておられるのか、ご所見をお伺いします。

第2点目に、愛知県の実態についてお伺いを致します。

子どもの貧困率の手掛かりとなる確かな行政データは、就学援助費の援助率といわれています。
就学援助費とは、低所得世帯の子どもの義務教育にかかる費用、給食費、学用品費、修学旅行費、PTA会費等を国と地方自治体が支援する制度です。
近年、この割合が激増しています。
文科省のデータによれば1997年度には6.57%であった要保護及び準要保護児童生徒数が2012年度には15.64%まで増加しています。
そこでまず、本県の援助率の推移を教育長にお伺いいたします。
また、本県では、昨年の3月「愛知県ひとり親家庭等実態調査」の報告書を出しています。
その中で、母子家庭の場合、約8割が現在の家計の状況について「苦しい」と答えています。
そして、その原因について「子どもの教育費がかかる」が42.6%とあります。
この調査結果を県はどのように受け止め、対応をされておられますか。
併せてお伺いを致します。
また、私は先日、子どもの貧困問題に取り組んでいる「あしなが育英会」のメンバーと共に、埼玉県まで出かけ、学習支援や子どもの貧困に対し調査・研究をされている大学の先生などにもお話をお伺いし、徹底的にアウトリーチしていく重要性等を痛感して参りました。

そこで第3点目に、生活保護の子どもの支援についてお伺いをします。

神奈川県では、2010年度から、生活保護世帯の子どもたちの中に、進学や進路への不安や、不登校、引きこもりなどの課題が多いことに鑑み、県内の保健福祉事務所に「生活保護・子ども支援員」を一人ずつ配置し、ケースワーカーと共に家庭訪問を通じて、退学や中退しない方法や進学就職について一緒に考えたり、親の悩みなどを聞いたりと、積極的な教育支援を展開しています。

「愛知県ひとり親家庭等実態調査」においても子どもの進学・教育は最も多い悩みであることが結果にも出ております。
是非本県としても、貧困の連鎖を断ちきることにもつながる「子ども支援員」の設置について積極的に考える事をしていただきたいと思いますが、ご所見をお伺いします。

質問の最後に、支援計画についての基本的な考え方をお伺いします。

「子どもを大切にしなければならない」「貧困の連鎖は食い止めなければならない」このような理念だけをいくら唱えても何の現実的な解決にもなりません。
必要なことは子どもの貧困の実態を把握し、具体的で多様な施策を打ち出し、実行していくことにあります。
どんな環境にあろうと子どもは子ども、子どもたちの未来は私たちの社会の未来そのものです。
国が「大綱」を示したならば、本県としても、すぐ計画に取り組むべきと思いますが、取り組みへの決意をお伺いし質問を終わらせていただきます。

(答弁)

◯健康福祉部長

子供の貧困対策に関する御質問にお答えをいたします。
まず、子供の貧困の状態についてでございますが、子どもの貧困対策の推進に関する法律の国会における審議におきまして、法案提出者が、現に経済的に困窮し、教育や生活などについて公的な支援が必要な状態をあらわすものであると答弁されております。
県としても、このような状況が貧困の状態と理解しております。
次に、貧困に育つことによる子供への影響については、同じく国会審議におきまして、貧困状態によって、進学したいけれど進学できない、あるいは学校での勉強、修学旅行、さまざまなことをやり続けたいけれども、そういうチャンスが貧困を理由によって得られないとも答弁されており、経済状況により子供たちの将来の夢や可能性が奪われてしまうことが最も大きな影響であると考えております。
次に、貧困を放置することにつきましては、議員お示しのとおり、国立社会保障・人口問題研究所の社会生活に関する実態調査では、十五歳において貧困の状態だった子供は限られた教育機会しか得られず、その結果、恵まれない職につき、低所得で低い生活水準となってしまうとの分析がなされております。
貧困を放置することによりまして、いわゆる貧困の連鎖となり、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されかねないことになると危惧するところでございます。
次に、ひとり親家庭等実態調査の結果に対する認識とこれまでの対応についてでございます。
この実態調査では、母子家庭においては、年間総収入が二百万円以下の方が約六割となっており、また、家計の苦しい理由としまして、子供の教育費がかかる、給料が少ないといった回答の割合が高くなっております。
こうした調査結果から、母子家庭の方々は収入が少ない中で、子供に必要な経費を支出せざるを得ない状況にあり、経済的に厳しい環境に置かれているものと認識しております。
このような状況を踏まえまして、これまでも県では、国の制度に加えまして、県独自に手当ての支給などを行ってまいりました。
さらに、将来的に安定した収入が得られるようにするため、就職に有利な資格を取得するための講習会の開催や、家庭状況に配慮した就業相談など、各種の就労支援にも取り組んでおります。
また、母子家庭のお子さんの教育費についても、高校、大学などの入学金や授業料に対し、母子福祉資金の貸し付けを行うなど、修学に支障を来すことのないよう努めているところでございます。
次に、生活保護・子ども支援員の設置についてでございます。
神奈川県では、国の社会的な居場所づくり支援事業を活用し、県所管の郡部の保健福祉事務所に支援員を配置し、生活保護ケースワーカーと連携し支援を行っております。
その状況は、利用者から相談しやすくなったと評価される一方、支援員の個人差により支援レベルに差が生じていることや、保健福祉事務所、町村教育委員会等の関係機関との情報共有の難しさなどが課題であると伺っております。
本県でも、県の福祉事務所所管の町村域で生活保護世帯の子供への学習支援等の取り組みを検討しておりましたが、支援人材の確保、対象となる世帯の御理解、町村や町村教育委員会との情報共有のあり方など、課題があり、現時点では実施しておりません。
平成二十七年四月から施行される生活困窮者自立支援法において、都道府県等の任意事業として、新たに生活困窮者である子供に対し、学習の援助を行う事業などが規定されるところでございます。
県といたしましては、引き続き町村や町村教育委員会と連携し、NPO等の地域資源の活用を図りながら、さまざまな課題への対応も含め、生活保護世帯の子供たちに対する学習支援への取り組みについて検討してまいりたいと考えております。

最後に、県の計画についてでございます。

法律では、都道府県は国が定める大綱を勘案し、子どもの貧困対策についての計画を定めるよう努めるものとされております。
大綱では、政府は、子どもの貧困対策に関する基本方針を初め、子どもの貧困に関する指標や指標の改善に向けた施策、あるいは教育、生活、就労及び経済的な支援などに関する事項を定めることになっております。
県において子どもの貧困対策を着実に推進するためには、こうした事項を具体的な県の計画として策定し、必要な施策を着実に実施していくことが何よりも重要だと考えております。
県といたしましては、国において大綱が示され次第、本県のあいち健康福祉ビジョン並びに第二次愛知県少子化対策推進基本計画との関係を含め、計画のあり方なども検討し、計画策定の準備に着手したいと考えております。
以上でございます。

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