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2015-01-06

国が管轄する独立行政法人日本学生支援機構の奨学金について

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国が管轄する独立行政法人日本学生支援機構の奨学金についてです。

昨年の3月のある新聞に、「奨学金1万人滞納、2010年度以降、信用情報機関に登録、受給、学生の過半数超す」という見出しをつけた記事が掲載されていました。
記事には、日本学生支援機構の奨学金制度で返済滞納者の個人信用機関、いわゆるブラックリストへの登録が2010年度以降の登録件数4469件、2012年2月現在で5899件となり、合計で10368件に達したとありました。
一度ブラックリストに登録されると、クレジットカードや住宅ローンの利用が制限される可能性があります。
また、さらに、滞納が9カ月以上になると、日本学生支援機構は予告した上で、奨学金返還を求めて裁判所に督促の申し立てをし、その件数も2006年度の1181件から、2010年度は7390件と6倍に急増しています。
学生を支えるはずの奨学金の返済で苦しんでいる人たちが確実にふえています。
ことし1月の中日新聞には、名古屋で開催した奨学金ホットラインに、奨学金を受けながら大学や大学院で学んだものの、就職したくてもできない、正社員になれない就職難の時代の中で、奨学金返済の負担が大きくなってきている事情が報告されています。
親からの訴えもありました。
子供の奨学金の負担が重く、家計がピンチ、子供も将来展望が見えない、子供が就職に失敗をした、あるいは就職はしたが、非正規労働で低賃金、子供が精神疾患になったなど、奨学金返済に苦しむ若者や親の相談が数多く寄せられていました。
皆、悪意を持って返さないのではなく、返したくても返せない現状に苦しんでいます。
こうした現状の中で、県内のある私立大学では、学費と奨学金の問題をどう考えるのかという自主的な会も立ち上がり、この問題に対する議論も始まりました。
先日、私もその会に出席し、いろいろな意見を聞いてまいりましたが、そこには悪化の一途をたどる奨学金制度の現状があり、愕然といたしました。

奨学金について、少し説明をさせていただきます。
日本学生支援機構の奨学金には、第一種奨学金、第二種奨学金があり、第一種奨学金は無利子の奨学金、第二種奨学金は利子つきの奨学金で年3%が上限となっています。
第一種は税金が財源ですが、わずかな枠でしかありません。
第二種は、国が金融市場資金を調達して機構に有利子で貸し付けた資金が主な財源となり、成績や所得の要件が第一種より緩やかなため、多くの学生が借りやすくなっています。
その結果、1998年度、無利子奨学金39万人、有利子奨学金11万人だったのに対し、2012年度、無利子奨学金38万人、有利子奨学金は11万人から96万人と9倍にふえ、多くの大学生が奨学金制度を受けている現状を生み出しました。
そして、2011年度の滞納者は33万人いると言われています。
強調したいことは、貸出金利は3%でも、延滞金の利率は年10%もつきます。
払えない人になぜより高い金利を課すのか、本当に情けなくなってしまいます。
さらに、40歳以下の親は、年功序列型賃金が崩れ、肩がわりもできない世代が親となっています。
奨学金返済がますます生活困窮者を生み出している例もあるのではないでしょうか。
多くの若者が借金漬けになっていったら日本はどうなってしまうのか、胸が詰まる思いをしています。

そこでお伺いをいたします。
このように、奨学金がなかなか返せない若者がふえている現状について、県はどのように感じておられるのか、率直な思いをお聞かせください。
第2点目に、愛知県立大学の日本学生支援機構における近年の奨学金受給者の累計はどのような傾向にあるのでしょうか、お示しください。
第3点目に、日本学生支援機構の奨学金を借りる際の説明についてお伺いをいたします。
奨学金の申し込みは2種類あります。
大学等進学前の予約採用と、進学後の在学採用の2つです。
進学前の予約採用は、高等学校を通じて申し込みをし、進学後の在学採用は、在学する大学を通じて申し込みをします。
将来、自分が借りている奨学金が返せるかどうか不安に思っている学生から、事前にもう少し詳しい説明を聞いていれば、借りる金額を最低限まで落としていたかもしれない、何とか返していけるのではないか、曖昧な気持ちでいたと私に話してくれました。
奨学金の返済に困っている人たちの問題が社会現象化している今、事前予約の高校、進学後の大学の申し込みのときの説明は、もう少し詳しく丁寧であるべきではないでしょうか。
奨学金は、教育の機会均等を保障する大切な制度であり、制度を利用しやすくすることはもちろん一番大切なことです。
しかし、その一方で、奨学金は将来必ず返さなければならないお金であること、状況によっては猶予ができるということ、奨学金の返済がおくれると年10%の延滞金がつくこと、3カ月でブラックリストに登録され、クレジットカードの発行、利用の停止、住宅ローンも組めないかもしれないこと。
もちろん、このことはガイドを読めば書いてあることですが、先ほどの学生の言葉ではありませんが、何とか返せるだろうと思っている学生は、そこまで重要とは考えていないというのが現状です。
現状をわかっている者がしっかり伝えることが、奨学金を借りながら誰もが安心して進学でき、大学の専門性を身につけ、グローバルな社会に対応できる人となることにつながっていくと感じています。
奨学金の申し込みの説明の現状と、詳しい丁寧な説明の必要性について、高校、大学の担当部局に御所見をお伺いいたします。

(答弁)

◯県民生活部長

国が管轄する独立行政法人日本学生支援機構の奨学金についてお答えをいたします。
まず、奨学金を返せない若者がふえている現状についてどのように感じているかとのお尋ねでございます。
日本学生支援機構の奨学金事業は、経済的理由により修学に困難があるすぐれた学生に対して、高等教育の機会の均等や、人材の育成の観点から大きな役割を果たしております。
しかしながら、近年の厳しい経済状況等を背景に、奨学金を返せない若者がふえていることはまことに憂慮すべき事態と考えております。
次に、愛知県立大学における日本学生支援機構の近年の奨学金受給者の累計の傾向についてお答えいたします。
この制度に基づき奨学金を受けている学生の数は、平成24年度現在、無利子である第一種奨学金が413名、利子つきの第二種奨学金が573名の合計986名であり、在籍者の30%となっております。
また、その推移を見てみますと、平成21年度における受給者の総数は954名でございますので、過去4年間で32名増加し、率にすると約3%の伸びとなっております。
その内訳を見ますと、第一種奨学金が43名、率にして約9%減少しているのに対して、有利子の第二種奨学金は75名の増加、率にしますと約15%の大幅な伸びとなっております。
次に、学生が入学後に奨学金の申し込みをする際の説明の現状と詳しい丁寧な説明の必要性についてお答えいたします。
県立大学では、返還金滞納者の発生を未然に防止するため、奨学金の申し込みや採用決定時において、貸与終了後の返還総額、月々の返還額、返還回数などの返還方法の具体例を示すとともに、延滞した場合には延滞金が10%かかることや、個人信用情報機関に延滞の情報が登録されることなども説明し、返還の大変さを実感されるよう努めているところでございます。
加えて、貸与中の学生に対しましては、毎年の継続手続における借入額の見直しの助言や、卒業時における返還説明会の開催など、さまざまな対策を講じているところであります。
奨学金の本来の目的である教育の機会の均等と奨学金の確実な返済がともに図られるよう、今後とも学生本位の丁寧できめ細やかな情報提供に努めてまいりたいと考えております。

◯教育長

国の奨学金にかかわりまして、教育委員会にも高校での指導についてお尋ねをいただきました。
御案内のように、日本学生支援機構では、次年度に大学、短期大学、専修学校専門課程に進学し、奨学金の貸与を受けることを希望する者を対象に奨学金の予約募集を行っております。
この予約奨学金の申し込みに当たりまして、各県立高校では、貸与を希望する3年生を対象に、5月上旬に応募手続のための説明会を開催いたします。
この説明会で、各高校の担当者から貸与金額や保証制度、申し込み基準などの貸与に関する基本事項と、貸与終了後の返還に関することなどを説明し、保護者と十分に相談した上で貸与を受けるかどうかや、貸与の内容などを決めるよう指導しております。
議員御指摘のように、卒業後に返還が困難になり、滞納となってしまうケースが多くなっておりますことから、今後の説明に当たりましては、月賦返還額の例や、延滞した場合に延滞金が発生することなど、返還する場合のこともしっかり考えて貸与の内容を決めていただくよう、より丁寧に説明してまいりたいと考えております。

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